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監修医師

モレロ オースティン誠

MSA美容外科 院長モレロ オースティン誠

略歴
2018〜2024年 大手美容外科沖縄院 院長
2024年 MSA美容外科 開院

所属学会
日本美容外科学会(JSAS)正会員
日本美容外科学会(JSAS)認定専門医
日本美容皮膚科学会 正会員

初めに

ドクターズコラムの第一号。
何を書こうか、テーマを2週間近く迷いました。
記念すべき第一号ですので、カッコよく決めたいものです。

美容外科といえば、二重埋没とか、糸リフトとか、くま取りとか、豊胸とかを書くべきでしょうが・・・。

私が選んだ題目は「額のシワ」です。

えぇ!? 額のシワ??? 美容皮膚科じゃないですかぁああ!!!
まぁ、落ち着いて、読んでください。長くなりますのでご注意を。

一般的な額のシワの診療の流れ

まず、一般的な額のシワの診療の流れについて、お話をしましょう。

  1. 額のシワが気になる
  2. 美容クリニックで見せる
  3. 「あぁボトックスですね」と言われる
  4. 額ボトックスの「目元が重たくなる」リスクを説明される
  5. ボトックスを受ける
  6. 数日後からシワが良くなる
  7. また3ヶ月後にシワが気になる
  8. → ①に戻る 

これが一般的な額のシワ診療の流れですが、この治療の流れに乗ったことのある人(乗ってる人)も多数いることでしょう。

ちょっと待って!額のシワ診療の前に考えるべきこと

私の場合は、もちろんシワの診療をしておりますし、額のシワに対して何万回もボトックス注射をしてきましたが、上の②と③の間に必ず「ちょっと待った!」が入ります。皆さんはちゃんと「ちょっと待った!」されていますか?

「額のシワ」→「はい、ボトックス」

これは、間違いではありませんが、美容外科医は必ず違う視点も持たなくてはなりません。

そもそも、

なぜ額のシワが入ってきたのか?
いつから入ってきたのか?
いつから気になっているのか?

これらの疑問が湧かない限りは、言い方は悪いのですが、三流の美容ドクターです。

額のシワができる3つの原因

皆様、額のしわがなぜ入るのか、わかりますか? 説明を受けたことありますか?
しっかりと原因をわかることが、治療の第一歩です。これを読んでいる皆様もしっかりと勉強になるよう、なるべくわかりやすく書きますね(長くなりますが・・・)。

今から紹介する原因を見て、自分に当てはまるかどうかを考えながら、様々な治療選択があることを知ってみましょう。

原因は大まかに3つです

  1. 表情のくせ(感情表現)
  2. (老化による)皮膚のたるみ
  3. 眼瞼下垂(目の病気)の可能性


もちろん、紫外線とかそういうのも色々とありますが、細胞レベルのミクロの話は文章では直感的な理解は難しく、治療も化学反応を使うものが多く、ダイナミズムに欠けますのでこちらでは割愛します。

これらの3大原因が、額の筋肉が動き→シワを作るのです。

だから何? 額動いてるの、知ってるし。
これを知って、何のためになるの?
ただのうんちく言われても…。

その気持ちわかります。でも、これらの原因を考えるのは大切なことなのです。

表情のくせ(感情表現)

表情のくせがある人、感情表現で額のシワがよっている人。
毎日たくさんの方と顔を合わせてコミュニケーションをとって、感情が豊かな人、素敵ですよね?そういう方はよく額のしわを気にし始めます。こういう方はお仕事であったり、プライベートであったりとで、とにかくお顔がすごく動いており、とくに目元を強調するコミュニケーションを多くとっているので、額のしわが早めに形成され始めます。しかし、今気になっている部分(額)だけでなく、他のお顔の部分も気になってくる可能性は人より高い傾向にあります。額に限らず、目尻やほうれい線などもシワが深くなっている可能性が高いのです。気づいていないだけで(気になっていないだけで)、どんどんお顔のあちこちにシワが増えていくリスクが高いのです。

また、感情が豊かな場合は、シワがあちこちに増える可能性もあるのですが、治療を繊細に行うことも必要です。ただボトックスを打つと、コミュニケーションとして使っている表情が薄まるので、この方の社交性・生活に関わってきます。そのため、少し弱めにボトックスを打ったりしながら、何度かのセッションを通して本人が心地いいと思う適量を見つけていくのです(ボトックスは1回で決まるものではありません!)。

老化による皮膚のたるみ

次は、老化による皮膚のたるみです。
年齢を重ねるとともに、皮膚はゆるみ、頭蓋骨は小さくなります。結果として、お顔のあちこちでたるみが生まれ、目にみえる老化現象が起きます。口元などのたるみはよく注目されますが、瞼もしっかりとたるみます。

ん?でも、そんなにたるんでないけど?

瞼のたるみは気づきにくいものです。

鏡の前で目を閉じて、リラックスをしましょう。目を閉じたまま、眉毛を自分の指で下に押さえて、目を開いて鏡を見てください。この時、眉毛が上がろうとしたら、しっかりと指で上がらないように押さえてください。40歳を過ぎていたら、ほとんどの方は鏡の姿でたるみを確認できるはずです。

人の脳はすごくうまくできています。どうしてそうなのかというと、環境に適応するのが、とにかく上手なのです。皮膚がたるんで、目が見えづらくなると、生活がしづらくなりますよね?脳はしっかりとそれをわかっているので、たるんできた皮膚が目を覆う前に、引き上げるのです。 

どうやって引き上げる? 額の筋肉を使うのです。

瞼の皮膚がたるんでいる→目が見えづらくなる→脳がそれを察知する→脳が額の筋肉に引き上げろと指示をする→額のシワが刻まれ始める  この全てが無意識に進んでいるのです

また、皮膚のたるみは必ずしも老化が原因とは限りません。日本は二重瞼に対して独特な美的感覚のある国ですが、若年の頃から長年アイテープを利用することで瞼の皮膚にテープかぶれが続き、皮膚が伸びている場合もあります。その他にも、アレルギーなどで目元の皮膚がかぶれて皮膚が伸びている可能性もあります。それらの皮膚の伸びが視野を妨げていると、老化のたるみと同じように額の筋肉が眉毛を引き上げ、額にシワが形成されていくのです。

さて、これらがなぜ大切なのかというと、たるみが原因の場合は、たるみ治療が必要になり始めているということだからです。

具体的には軽度のたるみならば、ヒアルロン酸でのボリュームアップやエナジーデバイスでの引き締め、中等度〜重度のたるみならば、眉下切開や上瞼除すう術の手術療法が必要な可能性があるのです。

すぐに手術をした方がいい!というものではありません。美容外科手術なので、その日でやらないといけないものはありません。しかし、一度持ち帰って、今後の長期的な美容のための課題としては、必ず知っていた方がいいのです。

眼瞼下垂(目の病気)の可能性

3つ目の眼瞼下垂の可能性は、老化のたるみに似ています。
瞼を開く筋肉が病的な原因で弱くなっている→瞼が開かないので目が見えづらい→脳がそれを察知する→脳が額の筋肉に引き上げろと指示をする→額のシワが刻まれる

とくに、額の片側だけにシワが寄っている場合はさらに眼瞼下垂の可能性もありますため、要注意です(表情の癖の時もありますが)。

こちらもたるみの時と同様、眼瞼下垂が原因である場合は手術療法が必要となります。ただし、眼瞼下垂の場合は、とても目が見えづらくなり特に重度だと生活の危険性も出てくるので、場合によっては早めの手術療法をお勧めします(状況によっては形成外科へのご紹介をします)。

MSA美容外科の「額のシワ」診療へのこだわり

MSA美容外科では、「額のシワ」を逆算して、患者様の実情を可能な限り紐解いています。

額のシワに対して必ず他の治療や手術をするという意味ではありません。しかし、額のシワには将来的には他の治療を必要とする可能性や、今の段階で他の治療を受けた方がいいという可能性が隠れており、それを患者様も知る権利があるのです。それを知った上でボトックスを選択するのと、知らずにただただボトックスを受けるのとでは、雲泥の差があり、長期的な患者満足度は必ず変わります。

額のシワ1つ見て、10を知る美容外科
それがMSAです。

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