ヒアルロン酸の底力

監修医師

MSA美容外科 院長モレロ オースティン誠
略歴
2018〜2024年 大手美容外科沖縄院 院長
2024年 MSA美容外科 開院
所属学会
日本美容外科学会(JSAS)正会員
日本美容外科学会(JSAS)認定専門医
日本美容皮膚科学会 正会員
今回のテーマは、ヒアルロン酸注入です。
過去にも、ヒアルロン酸についてinstagramで記載をしましたが、こちらでは実際のMSAの症例を使った解説や、ヒアルロン酸の昔話なども含めて、つらつらと書き込もうと思います。
Dr. Arthur Swift から学んだこと
私は前職の勉強会で、世界的名医のArthur Swift 先生から直々にヒアルロン酸注入について学ぶことができました。もう10年近く前にもなりますが、東京での勉強会で、今となってはすごく貴重な体験だったのだと思います。
高額な受講料を申し込まないと習えないような技術を、会社のおかげで無料で受講することができました。ありがとうございます。
それからのキャリアで色々なヒアルロン酸注入法の理論について勉強してきましたが、私のヒアルロン酸注入の技術の9割は、この時に学んだことが今でも根底にあります。上顔面のこめかみへの注入方法、中顔面のprezygomatic space, premaxillary spaceへの注入方法、ほうれい線への注入方法、顎先への注入方法などなど、人の顔の解剖と同じく、timelessな解法を見出したSwift 先生、すごいです。
とくに、こめかみへの注入方法は秀逸で、1箇所の注入点から側頭のほとんどをカバーできる注入方法は素晴らしいです。何回も患者様を針で刺さなくて済むので、とにかく痛みによるストレスが少なく、それで結果もすごくわかりやすく綺麗になれるので最高です。
どのように組織をめくりあげ、どこを刺して、どこに注入をすれば、最低限の侵襲で綺麗に仕上げることをできる。これを追求したのが Swift 先生の技法で、その技法のおかげでこれまで何千人ものヒアルロン酸治療を行うことができました。私はその技術を踏襲して、患者様に生かすことで社会還元をできているのですが、1回の勉強会を開くだけでSwift 先生は数名の医師に技術を伝授することで、そこから何千人、何万人という患者様へと社会還元させることができます。

Swift 先生は、注入する前に、何度も何度も左手で患部をタッピングします。動きは不規則で不思議なものでした。私は質問しました。「この左手の軽く叩くような動作は、何か意味あるのですか?」と。Swift 先生は答えました「この手の動き?よく見てるね。初めて質問されたよ。これはね、患者さんのタイミングをずらすことで緊張を和らげてるんだ。痛みも少なく感じるんだよ。」と答えていました。これは流石に真似はできませんが、他の技術的な部分はできる限り吸収しました。
さて、Swift 先生から学んだことは、技術だけではありません。一つの哲学を持って治療に挑むことです。この時から、” BeautiPHIcation “について強く推奨しておりました。黄金比などのような、比率を使ってのメソッドですが、こちらに関しては私は全て賛成というわけにはいきませんが、そのことに対するこだわりの気持ちは強く共感しました。おそらくそういう “こだわり” があったからこそ、数々の技術ができたのです。何となくとか、何でもありでは絶対に道筋は見えてきません。自分に制限を設けるからこそ、境界線ができ、道筋が道になるのです。
こだわりがなければ、いつでも代わりは見つかってしまいます。MSAもそのような、only oneな美容外科の道を拓いていきたいものです。
ヒアルロン酸の話は…笑?
さて、今回のテーマは、ヒアルロン酸でした。忘れておりました。
ヒアルロン酸といえば、ほうれい線などが代表的ですよね。これまで、何千回とやってきました。

ほうれい線は老化というよりは、男性的、権威的な印象を与えるシワだと思います。もちろん、老化と共に悪化はしますが、老化の印象というよりから、強さとか、太々しさ?そういう印象を与えると思います。このシワを解消することで、優しく見えるのだと思います。

例えば、こちらの画像、どっちの人の方が言うこと聞いてくれそうですか?
まぁ、どちらもただのおじさんだけど、何となく右のおじさんの方が話しやすくないですか?左のおじさんよりは優しそうですよね?
左のおじさんは気難しそうというか、何というか…うるさそうですよね笑
ちなみに、それぞれの違いは “ほうれい線 ” だけです。
これをたったの5分の治療時間で達成できるのですから、ヒアルロン酸注入はすごいのです。
ヒアルロン酸は輪郭にも有効
顔の中は、色々の区画に分かれております。それに目をつけたDr. Bryan MendelsonやDr. Mauricio de Maioはそれぞれ外科(解剖学)の領域と、ヒアルロン酸注入の領域とで世界的権威となっております。解剖学に即した注入方法を心がけることで、シワだけでなく、顔の輪郭の補正も可能になるのです。
ここで、よく出る例が “あご先” ですが、ここであえてそれとは別の症例を提示しようと思います。その画像がこちらです。

こちらの症例は、糸リフトも組み合わせておりますが、治療の根幹にあるのはフェイスラインへのヒアルロン酸注入です。糸リフトだけではここまで良くなりません。無理です。
下顎角周辺のボリュームは、よく日本では敵視されておりますが、私は個人的にはお顔のフェイスラインを保つための一つの柱だと考えております。この部分のSMASは固く動きにくいこと、また近くにはRoskies’ patch ( Dr. Nayakから習った、Roskies 先生の大発見)があることが関与していると思いますが、ここのボリュームを改善するだけで、魔法のように綺麗になります。厳密には顔の大きさは大きくなっておりますが、連続したフェイスラインが描かれ、若々しさが取り戻されることで、はっきり言って、とにかく綺麗になっております。
骨切りは、一定の方には有効な治療ですが、ただただ小顔にする目的で行うと、中年以降に入るとabnormalな輪郭になってき始めます。そういう方々を何名も見てきました。20代の頃に小顔目的で骨切りしたけど、今は顔が細長くなって後悔していると…。顔のボリュームは、バランスです。
このコラムは何を言いたかったのか?
ヒアルロン酸を例として、色々と語りました。
本当に素晴らしい技術は何年経っても変わらない、timelessなものになること。
治療方針にはこだわりを持って、道を作っていくこと。
ほうれい線を治療することで優しく見えることができ、たった5分で治療ができること。
他にもタルミ治療(輪郭治療)でもヒアルロン酸は力を発揮できること。
そういうところでしょうか?
ちゃんとした技術とこだわりを持てば、様々な悩みに対してヒアルロン酸だけで対応できるのです。
MSA美容外科では、外科治療に注力をしておりますが、ヒアルロン酸治療はとても自信を持っております。最近は、前職より症例数は減ったものの、その分それぞれの症例に思いっきり本気を出せるので、力作が多くなっています。皆さんにも少しずつ見せることができるのが楽しみです。
引用画像
Arthur Swift 先生の画像は、 https://swiftbeauty.com/ より引用しております
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