標準 と カスタマイズ の「あいだ」
監修医師
MSA美容外科 院長モレロ オースティン誠
略歴
2018〜2024年 大手美容外科沖縄院 院長
2024年 MSA美容外科 開院
所属学会
日本美容外科学会(JSAS)正会員
日本美容外科学会(JSAPS)関連会員
日本美容外科学会(JSAS)認定専門医
The Rhinoplasty Society 海外会員
アメリカ美容外科学会(AACS)海外会員
日本美容皮膚科学会 正会員
日本美容外科医師会 正会員
標準治療とカスタマイズ治療のあいだにあるもの
― 美容医療における「中庸」の大切さ ―
医療の基本は、まず「標準化」にある
医療は本来、標準化されるべきものです。
一定の手順、一定の用量、一定の適応のもとで、誰が行っても大きな差が出ないように治療を組み立てる。これは医療の安全性を守るうえで、きわめて重要な考え方です。
たとえば、同じ薬剤を、同じ量で、同じ部位に使用する。あるいは、適応のある患者様に対して、決められた方法で治療を行う。こうした「標準治療」の強みは、何よりもエビデンスに基づいていること、そして安全性と再現性が高いことにあります。
医療者の感覚や思いつきではなく、積み重ねられた知見の上に成り立っているという点で、標準治療は非常に信頼性の高いものです。まずこの土台があるからこそ、医療は医療として成り立つのだと私は考えています。
しかし、美容医療はそれだけでは足りない
一方で、美容医療の現場に長く携わっておりますと、標準化だけでは十分に応えきれないものがあることも日々実感いたします。
美容医療は、単に症状を治す医療とは少し異なります。
患者様が求めておられるのは、「数値上の改善」だけではありません。
その方のお顔立ち、その方の雰囲気、その方らしさを損なわずに、どのように美しく見せるか。そこには、きわめて繊細で個別性の高い価値観が関わってまいります。
同じ治療を受けても、ある方には理想的な結果であっても、別の方には少し違和感のある仕上がりになることがあります。
技術的には、100点満点の仕上がりだったとしても、患者様が納得しなければ0点。
どんなにベテランの先生でも、このような場面に直面することがありますが、それは標準治療を患者様に押し付けてしまったからという可能性があります。
美容医療においては、画一的な「正しさ」だけでは、患者様の満足に十分届かないことがあるのです。

標準治療の強みと、その限界
標準治療の強みは明確です。
エビデンスがあり、安全性が高く、結果の予測が立てやすい。多くの患者様にとって安心して受けられる治療の土台になります。
しかしその一方で、標準化された治療は、どうしても「同じような結果」になりやすいという側面も持っています。
また安全な標準治療は、「綺麗になる」という表現で医師と患者様との間で食い違いが出やすいのです。
患者様一人ひとりで、骨格も違えば、皮膚や脂肪のつき方も違う。表情の癖も違えば、美しさの感じ方、ご本人の理想像も異なります。
そうした違いがあるにもかかわらず、すべてを同じ設計で治療してしまうと、その方らしさや細かな希望に十分応えられないことがあるのです。

カスタマイズ治療が必要になる理由
そこで重要になるのが、カスタマイズ治療です。
カスタマイズ治療の強みは、患者様それぞれのご希望や個性に合わせて、治療内容やデザインを調整できることにあります。
単に変化を出すだけではなく、その方に似合う仕上がり、その方が本当に満足できる結果を目指せる点は、美容医療において非常に大きな価値です。
また、単純な解剖上の違いだけでなく、それぞれの美意識や価値観に応じた提案ができることも強みとなります。
たとえば、「ほうれい線が気になる」とおっしゃる患者様がおられたとしても、その背景は一様ではありません。
骨格による影響が強い方もいれば、頬のボリュームの下垂が関係している方もおられます。口元の動きによって線が強調される方もいれば、実際にはほうれい線そのものより、中顔面のボリュームロスが全体の印象を左右していることもあります。
同じ「ほうれい線のお悩み」でも、原因が異なれば、本来とるべき治療戦略も変わってくるのです。
二重の施術でも、幅の広い二重瞼、幅の狭い二重瞼など、価値観はそれぞれです。「この二重幅は変!」と一蹴してしまうのは良くないと私は考えます。(もちろん、明らかに不自然な二重は止めますが…)

実臨床で感じる「一点だけを治せばよいわけではない」ということ
以前、「疲れて見える印象を改善したい」とご相談にいらした患者様がおられました。
ご本人としては、目の下のくぼみだけが原因だと感じておられたのですが、実際に拝見すると、こめかみから頬にかけてのボリュームバランス、さらに口元に入るわずかな影まで含めて、全体の印象が決まっていました。
もし標準的な発想だけで、その気になる一点のみに同じ治療を行っていたとしたら、部分的な改善は得られたかもしれません。けれども全体としては、どこか不自然さが残った可能性があります。
そこで、その方にはお顔全体の印象設計という観点から、あえて一か所に偏らず、必要最小限の調整を複数箇所に分けて行いました。結果として、「どこを変えたのかはわからないのに、疲れて見えなくなった」と、大変穏やかに喜んでいただけたことが印象に残っています。
美容医療では、この「どこか一か所を治す」という考え方だけでは不十分なことがあります。
全体を見て、必要なところだけを、必要な分だけ整える。そこにカスタマイズの意味があります。

ただし、何でもカスタマイズすればよいわけではない
もっとも、私は何でも自由に、完全に患者様ごとに変えればよいとも考えておりません。
カスタマイズ治療には魅力があります。しかしその一方で、標準化されていないということは、結果の再現性が下がるということでもあります。医師の知識、経験、技量、そして美的判断が、治療結果により強く反映されやすくなるのです。
つまり、カスタマイズは自由である分だけ、医師側により高い責任が求められる治療でもあります。
医学的な妥当性や安全性を軽視したまま、「その方に合わせた治療です」と言うだけでは、本当の意味で良い医療とは言えません。
どこまでもヒアルロン酸で膨らませ続け、どこまでも脂肪吸引で脂肪を削ぎ落とすというわけにはいきません。必ずブレーキが必要で、そこが患者様の好みに合わないというときも、ブレークを踏む必要があるのです。

「ご希望通り」が必ずしも最善とは限らない
実際の診療では、患者様のご希望をそのまま形にすることが、必ずしも最善ではない場面もあります。
以前、「せっかく治療するなら、しっかり変えたい」「できるだけ多く入れたい」と希望された患者様がおられました。
美容医療にとても関心が高く、情報収集もよくされていた方です。
ただ、診察のうえで拝見すると、その方の場合は量を増やせば増やすほど美しくなるお顔ではなく、むしろわずかな入れすぎが全体の品位を損ねる可能性がありました。
そのため私は、患者様のご希望をただなぞるのではなく、「やらないほうが美しい部分がある」ということを丁寧にお伝えしました。結果として治療量は当初のご希望より控えめになりましたが、後日「先生が止めてくださってよかったです。自然で、自分らしいです」とお話しくださったことが強く印象に残っています。
美容医療では、患者様の希望に応えることは大切です。
しかし、希望に迎合することと、希望を理解したうえで最善へ導くことは、決して同じではありません。
ここに、医師の役割があるのだと思います。
大切なのは「標準化か、カスタマイズか」ではない
私は、美容医療において本当に重要なのは、標準治療かカスタマイズ治療か、どちらか一方を選ぶことではないと考えています。
必要なのは、そのあいだにある「中庸(ちゅうよう)」です。
安全性やエビデンスという、医療として決して譲ってはならない土台は守る。
そのうえで、患者様のお顔立ち、組織の状態、加齢変化の出方、そして何より「どのように見られたいか」「どのように年齢を重ねたいか」という想いに寄り添いながら、調整すべき部分を見極めていく。
言い換えれば、土台は標準化、仕上がりは適切にカスタマイズ。
この考え方こそが、美容医療において最も誠実で、最も美しいあり方ではないかと感じています。

MSA美表外科が大切にしていること
何でもかんでも標準化では、患者様は満足できない時代です。
けれども、何でもかんでもカスタマイズでは、医療としての軸が失われてしまう。だからこそ、その中間を丁寧に攻めることが大切です。
派手な変化ではなく、無理のない美しさ。
わかりやすい正解ではなく、その方にとっての最適解。
美容医療とは、本来そうした繊細なバランス感覚のうえに成り立つものだと、私は考えております。
MSA美表外科では、医学的な安全性を何より大切にしながら、患者様それぞれの個性や美意識に寄り添ったご提案を心がけています。
標準化の強みを理解し、カスタマイズの価値も理解する。
その両方を踏まえたうえで、行き過ぎず、足りなさすぎず、その方にふさわしい美しさを一緒に考えていく。

それが、私たちの目指す美容医療です。
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